~学び続ける里親が、子どもの未来を支える~
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🌿 はじめに
このたび真ん中里親会事務局の渡部が「里親支援センター等人材育成プログラム」(主催:日本福祉大学)を受講して参りました。
詳細は控えますが、里親自身が学び続けることの大切さを改めて実感し、児童相談所や里親支援センターとの協働をより円滑にするための多くの示唆を得ました。
本記事では、オンデマンド講座・演習講座・応用研修の学びを簡潔にまとめ、今後の活動への気づきを共有します。
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🖥 オンデマンド講座の学び
オンデマンド講座では、7つのテーマに分かれ、社会的養護・家族・支援制度・協働・リクルートなど、幅広い視点から里親支援の基礎を学びました。
第1講 里親養育原論1(子どもの権利と心身の発達)
子どもの権利を尊重することは「愛情を注ぐこと」とは異なる。
“選びとる権利”を保障する姿勢が大人に求められる。
発達を支える要件は、安全・安心・信頼。まず環境の安定が土台である。
第2講 里親養育原論2(現代の家族像と関連法制度)
家族のかたちは多様化しているが、愛着と責任が共通の基盤。
家族法制度の理解は、里親養育の実践に不可欠である。
第3講 里親養育原論3(里親制度と支援)
実親と里親の関係を「対立」ではなく「協働」として考える必要がある。
子どもの「人生の一部」として関わる視点が重要。
第4講 フォスタリング業務総論
これからの里親支援センターは“支援の場”から“共育の場”へ。
職員の専門性向上と、地域での連携強化が求められる。
第5講 フォスタリング業務各論1(里親養育支援論)
アセスメントとは「評価」ではなく「理解」である。
家族再統合を見据えた支援が重要であり、支援技術の習得が求められる。
第6講 フォスタリング業務各論2(チーム養育協働論)
チームで支えるとは、他者の視点で偏りを修正し合うこと。
「連携」は情報共有ではなく、「共に考える」プロセスそのもの。
第7講 フォスタリング業務各論3(リクルート)
人が里親を志す動機の多くは「里親を知っていること」から始まる。
一方で、支援不足や情報格差が「里親にならない理由」として存在する。
(オックスフォード大学リーズセンター調査より)
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🤝 対面演習講座の学び
演習では、アセスメント・支援・協働・リクルートの各場面を模擬的に体験しました。
グループディスカッションを通じて、制度や理論だけでは見えにくい現場感覚を得ることができました。
印象に残った学び
1️⃣ ケースワーカーと里親は「支援する側」「される側」ではなく、共に成長する関係である。
2️⃣ 児童相談所と里親が対立して、子どもの利益になることは一つもない。
3️⃣ 里親に求められるのは「考える力」。情緒的になりすぎず、常に援助方針に立ち返る。
4️⃣ 「子どもが大切にされる」とは、“優先される体験の積み重ね”である。
5️⃣ 偏見と主観は避けられない。だからこそチームで議論し修正する。
また、リクルート演習では「口コミ」が持つ影響力を再確認しました。
支援の充実と情報の透明化が、次の里親につながるという実感を得ました。
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📘 応用研修の学び
テーマ:「親がいる子どもの家庭養護を考える」
子どもの行動の背景には、「今」だけでなく過去(歴史軸)の要因がある。
この視点がなければ、真の支援(里親の悩み解決)にはたどり着けない。
子どもが親を思う気持ちは、親の状態に関係なく存在している。
その気持ちを尊重しながら、今の生活を支える姿勢が必要である。
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📚 関連研究・書籍紹介
📖 『福祉は誰のため?』(ちくまプリマー新書)
福祉の本質を「ともに生きる仕組み」として再定義。支援する側・される側の垣根を超える視点を学べる。
📑 厚生労働省「家庭養護推進計画(令和6年度)」
令和9年度までに家庭養護率75%を目指す方針を明示。
里親と行政の協働が制度の柱と位置づけられている。
🌍 オックスフォード大学 リーズセンター研究(2018)
“Effective Foster Carer Recruitment and Retention”
適切な支援とリスペクトが「継続的な里親養育」を支えると報告。
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🎓 研修を終えて
この度の「里親支援センター等人材育成プログラム」は、非常に充実した学びの機会となりました。
理論だけでなく実践に基づいた内容であり、自分自身の考え方や支援への姿勢を見つめ直すきっかけを数多くいただきました。
主催の日本福祉大学の運営体制も素晴らしく、講師の先生方のご指導はどれも温かく、的確で、深い洞察に満ちていました。
とりわけ、
二葉乳児院 長田 淳子 氏
特定非営利活動法人キーアセット 渡邊 守 氏
日本福祉大学教授 川尻 恵 氏
の3名の先生方によるご指導は印象的で、専門的な知見に裏打ちされた内容でありながらも、参加者一人ひとりがリラックスして発言できる雰囲気をつくってくださいました。
会場全体に「真剣で、でも温かい」空気が流れており、まさに“学びと対話の場”そのものでした。
このような質の高い研修を受けられたことに、心より感謝申し上げます。
そして、今回のプログラムはすべての里親の方にぜひお勧めしたい内容でした。
子どもへの理解を深め、支援者との協働を学び、自分の在り方を見つめ直すきっかけとして、これ以上ない研修だと感じます。
真ん中里親会でも、この学びを今後の活動に活かし、郡山市・白河市・玉川村をはじめ、地域の里親支援に広く還元していきたいと思います。
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🌱 結びに
学び続ける里親が増えることは、子どもの笑顔を増やすことにつながる。
その第一歩として、この研修を受講できたことに心から感謝しています。


